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Cause for Alarm / AGNOSTIC FRONT
火薬バカ一代 ★★★ (2017-10-15 23:51:46)
S.O.D.やD.R.I.、SUCIDAL TENDENSEIS etc.と共に、ハードコア/パンクとスラッシュ・メタルのクロスオーバー現象を語る上で欠かすことのできないバンドであるNYHCシーンの筆頭格、ヴィニー・スティグマ(G)&ロジャー・ミレット(Vo)率いるAGNOSTIC FRONTが、'86年に発表した2ndアルバム。
収録曲はいずれも1~3分台とショート/シャープ/ショックの姿勢が鮮明で、ロジャーのVoも通常のスラッシュ・メタル・バンドのそれに比べると線が細いふにゃふにゃとした感じ。この辺りはやはりHC畑出身バンドだなと。しかし、前作『VICTIM IN PAIN』と比較してみると、音作りにしろ曲構成にしろ、格段にスラッシュ・メタル度が高まっていることは明白で、「人が殺せるのと違うか?」というメンバーのルックス…じゃなかった切っ先の鋭さで刻まれるGリフと、抜群の安定感で猛然と畳み掛けるリズムとが、徹頭徹尾アグレッションを撒き散らしながら突っ走るサウンドは、スラッシャーなら問答無用でアガってしまうカッコ良さ。本編のスピード感をさらに加速させる、荒々しく迸るようなGソロが各曲にしっかりとフィーチュアされている点も好印象ですよ。
刻みの細かいGリフにのっけからテンションが上がりまくるOPナンバー①、続く②は…と、お気に入りの曲について感想たれようかとも考えましたが、そんな野暮せんと、頭からケツまで大音量で一気に浴びるのが本作を聴く上での正しい作法ではないかと。何せ全10曲でも収録時間は30分に満たないタイトさですからね。
「クロスオーバー・スラッシュの名盤」評に偽りなし、な1枚です。

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