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Kaleidoscope / MEKONG DELTA
火薬バカ一代 ★★ (2017-10-04 00:44:49)
'92年発表の5thアルバム(日本盤には『万華鏡』なる副題あり)。確か初めて買って聴いたMEKONG DELTA作品がコレですよ。
今回から、前任者よりもしっかりとメロディをなぞって歌える新Voが加入。一糸乱れぬ高度な演奏テクニックの下、激烈な疾走パート→バラード・パート…みたいな分かり易い緩急の類だけに留まらず、「間」「グルーヴ」といった、テク(音数の多さ)のみならず演奏する側にセンスも要求される楽曲構築術、立体的アレンジを登用したサウンドは、浮遊感漂わす③辺りに代表されるように、従来のスラッシュ愛好家限定のキワモノ・イメージを脱ぎ捨て、コクや深みを感じさせる本格派プログレ・メタル路線へとモード・チェンジ。④⑨等を聴いていると中期以降のVOIVODのことを思い出しましたよ。これまでの流れを汲むアグレッションと、ここに来て増量されたプログレ風味が絶妙な配合をみた⑥なんてアルバムのハイライト・ナンバーの一つじゃないでしょうか。
この手の「成熟」を感じさせる作風って奴は初期作ファンの不興を買う場合が多々あるわけですが、本作はそれを補うかのようにOPにスラッシーな疾走ナンバー①を配し、更にアラム・ハチャトリアンの超有名曲“剣の舞”の秀逸なHMバージョンのカヴァー⑦を収録する等、独りよがりな作りにならぬよう本編にフックを用意する構成の巧みさは、流石敏腕プロデューサーとして鳴らすラルフ・ヒューベルトのお仕事。抜かりねぇな。
スラッシャー以外の方で、まだMEKONG DELTAを聴いたことがないという向きには、硬軟のバランス感覚に優れた本作を入門盤にしてみるといいかもしれませんね。

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