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The Spectre Within / FATES WARNING
火薬バカ一代 ★★★ (2017-05-01 23:43:13)
FATES WARNINGの名を聞くと思い出すSFタッチのアートワークといい、いきなり7分越えのOPナンバー①で幕が上がり、10分以上に及ぶ⑦にて幕が下りる本編の攻めた構成といい、後のプログレ・メタル路線への息吹があちこちから感じられるようになった、’85年発表の2ndアルバム。
ツインGの劇的なハモりっぷりや、メリハリの効いた勇壮な曲展開が物語る通り、未だサウンドの基軸はIRON MAIDEN、JUDAS PRIEST由来のダークでアグレッシブな正統派HM路線に据え置かれています。その一方で、前作のパワフルな音痴ぶりから確かな成長を遂げ、歌声にブルース・ディッキンソンばりの雄々しさと力強さと心強さが宿った(一つ違う)ジョン・アーチの歌唱力や、ドラマ性及びスケール感の一層の増強が図られた曲展開etc.に下支えされた各収録曲は、1曲毎の中で多彩な表情を見せてくれるようになっています。その好例が前述の①や⑦であり、中盤に置かれたエピカルな④であると。
全体的にはまだまだ荒削りな出来栄えだったりするのですが、普段あまりプログレ物を嗜まないボンクラ・メタル野郎的には寧ろそれが丁度いいぐらいの塩梅でして。特にツインGの活用振りがIRON MAIDEN風の劇的な⑤から、疾走ナンバー⑥と来て、ドラマティックな大作ナンバー⑦へと至るクライマックスの流れは何度聴いてもグッときますよ。
…以上のような絶賛具合からもお察し頂けます通り、個人的には「FATES WARNINGと言えば本作が最高である!」と、今後も熱く推して行きたい1枚であります。

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