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Blaspheme / BLASPHEME
火薬バカ一代 ★★★ (2017-04-02 08:40:43)
80年代のフレンチ・メタル・シーンを代表するバンドの一つとして、度々その名を挙げられるパリ出身の4人組が、LIZARD RECORDSから'84年に発表したデビュー作。BURRN!!誌創刊号の輸入盤レビュー1発目を飾った(そして酷評されていた)作品でもあるという。
まずレオナルド・ダ・ヴィンチの名画『最後の晩餐』に、メンバーの顔をハメ込んだ洒落の利いたアートワークが非常に秀逸で、さすが芸術の国出身バンドだと(?)。内容に関しては、元気一杯に動き回るBがリード楽器の役割を果たす様からも明らかな通り、IRON MAIDENに多大な影響を受けたと思しき、疾走感と構築感を併せ持った正統派HMサウンドを演っています。ただこの手のバンドにしては肩をイカらせている感じが余りしないというか、ダークネスやアグレッションは控えめ。何だったら③みたいにポップなメロディ・センスも発揮していたりと、適度に「モテ男」感を漂わせてきやがる辺りがやっぱりフランスのバンドだなと(偏見)。
歌詞は全曲フランス語。ファルセットを多用するシンガーの歌唱は結構評価が割れるところかもしれませんが、個人的にはこれだけ歌えていれば十分とも。ピアノによる導入部から力強く盛り上がる④、MOTORHEADばりにB大暴れな⑥、ブリッジのドラマティックな展開が秀逸な疾走曲⑦、Voの熱唱、印象的なBライン、濃厚な泣きを伴って本編を劇的に締め括る⑨等は、彼らの魅力が十二分に活かされた名曲ではないでしょうか。
本家メイデンに肉薄する出来栄えかと言えば、そりゃそんなことは当然ありませんが、しかし当時の仏メタル・シーンのレベルの高さを物語る1枚であることは間違いありません。

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