この曲を聴け! 

Head On / SAMSON
火薬バカ一代 ★★★ (2017-03-11 09:35:59)
80年代初頭限定で、IRON MAIDEN、DEF LEPPARD、SAXONらと覇を競ったNWOBHMの雄SAMSONの2ndアルバム(’80年)。今回から新Voとしてブルース・ブルースことブルース・ディッキンソンが加入。またジャケットでは変質者感バリバリの覆面ドラマー、サンダースティック先輩が鎌装備で睨みを効かせる等、陣容の整ったSAMOSNがいよいよ本領を発揮し始めたことが伝わって来る出来栄え。(ちなみに国内盤CDは’90年にジムコから発売されていて、当時の思い出を振り返るブルースのインタビューも聞けますよ)
さて、そんな本作。邦題は『魔人襲来』だわ、ドラマーは檻に入ってるわ、新フロントマンはゴリラだわで、もはや怪獣無法地帯かアニマル・キングダムかと。しかしそうした怪しげなビジュアル・イメージや、アクの強いメンバーに存在感を掻き消されながらも、リーダーのポール・サムソン(G)がコツコツとクリエイトするのは、アカペラ・コーラスまで飛び出すOPナンバー①が物語る通り、70年代HRを引き摺ったシンプルでキャッチーなタテノリ・ロック。地味っちゃ地味ですが、そこに実力派シンガーの片鱗を既に伺わせるブルースの大仰な歌唱と、隙あらば派手なフィルをブッ込んで来るサンダースティックのドラミングというメタリックな要素が加わることで、他の何者でもない、SAMSONならではの個性的なHMサウンドが創出される塩梅。
じっとりと哀愁漂わす③、後半の激走パートが熱い⑤、IRON MAIDENと因縁浅からぬ⑥、SAMSON版“BREAKING THE LAW”風の⑦といった優れた収録曲を前にすれば、彼らが単なる「メイデンの草刈り場」等ではなかったことをお分かり頂けるのではないかと。

→同意