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Tokyo Tapes / SCORPIONS
火薬バカ一代 ★★★ (2016-10-20 23:37:54)
中野サンプラザでの初来日公演の模様を収めた実況録音盤(邦題『蠍団爆発!スコーピオンズ・ライブ』)。上り調子のバンドによる白熱のパフォーマンス、それを真っ向から迎え撃つ観客の熱狂とが克明に捉えられており、SCORPIONSの存在を一躍満天下に知らしめ、後の大躍進の切っ掛けになったというのも納得の1枚。
選曲も2nd~5thアルバムの美味しいところが押さえられていて、初期の彼らのベスト盤としても機能。無論、名曲を山ほど抱えているバンドゆえ漏れは当然あります。つか“HELL CAT”演るぐらいなら他に演るべき曲が幾らでもあるでしょ!とか思わなくもないのですが、いやでも既に脱退が確定していたウルリッヒ・ロート(G)への最後の接待だと思えば、楽勝で我慢できる…どころか、寧ろ名残惜しく感じられるぐらいですよ。
そして今回、そんなウリ以上の存在感を放つのがクラウス・マイネ(Vo)その人。テクニックや表現力に磨きを掛け、シンガーとして数段上のステージに昇った喉の手術以降に比べると、本作で炸裂する若さに任せたパワー全開のシャウトは、粗削りでありつつも、触れた物すべてを切り裂くような剃刀の如きエネルギーが迸る。お陰で収録曲はどれもスタジオ・バージョンを軽く凌駕する迫力を獲得。中でも“荒城の月”なんて、日本語詞を朗々歌い上げるクラウスの熱唱と、ウリのエモーショナル極まりない泣きのGプレイに、哀切に満ちた和風メロディとが相俟って、未だ語り草なのも当然の感動的な仕上がりっぷり。
尚、例によって海外では発禁食らったアートワークですが、どう見比べてもオリジナル(日本盤ジャケット)の方が素晴らしいことは言うまでもありません。

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