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Tracks / WRABIT
火薬バカ一代 ★★★ (2016-08-22 23:23:03)
カナダのメロディアスHRバンド、WRABIT(後にジョン・アルバニ(G)とクリス・ブルックウェイ(B)はリー・アーロンのバックバンドに参加)が残した3枚のフル・アルバムの内、'82年に発表された2ndアルバムに当たる作品。
ビッグ・セールスこそ記録できなかったものの、WRABITの代表作として世界中のメロディ愛好家から絶賛を受けた1st『WROUGH & WREADY』に比べると、今回は名曲“ANYWAY, ANYTIME”級のインパクトにこそ欠けますが(あのレベルの楽曲がポンポン生み出せたら誰も苦労はせんですわな)、煌びやかなKeyと壮麗なハーモニー、伸びやかによく歌うツインGとに全編が包み込まれたキャッチーなメロディアスHRサウンドは、前作の作風を忠実に引き継いでここでも健在です。
この手のバンドは作を重ねる毎にAOR/産業ロック化が進行していくことを宿命つけられていますが、本作に関してはハードなGリフの刻みからスタートし、適度な緊張感を湛えて躍動する曲調にポップなメロディが彩りを加えるOPナンバー①と、ルー・ナデュー(Vo)がパワフルな喉を披露する②といった楽曲が証明する通り、HR然としたエッジと、生命線たる泣きのメロディが実にバランス良く共存しています。中でも5曲目の“Bare Knuckler”は、そうした本編のハイライトを飾って駆け抜ける哀メロ・ナンバーの逸品。
前作と併せて是非のご一聴をお薦めする1枚。そして個人的に買い逃してしまった3rd『WEST SIDE KID』(’83年)と共に是非とも国内盤のリマスター再発をプリーズ。

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