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Changing Times / MANIA
火薬バカ一代 ★★★ (2016-05-15 00:18:01)
後にABRAXASに合流するクリス・クラウケ(Vo)が在籍していたドイツ・ハンブルグ出身の5人組が、’89年にNOISE RECORDSに残した唯一のフル・アルバム。
結成は'82年とその歴史は結構長く、ゆえに音楽性も「ドコドコ疾走するツーバスの上にハイトーンVoがゆったりしたメロディを乗せる」例のお約束スタイルよりももうちょい荒々しく、印象的なツインGのハモリが散りばめられたパワーメタル・サウンドは、初期HELLOWEENにNWOBHMからの影響を掛け合わせたような感じ。
油断するとすぐ声が引っ繰り返りそうになるVoの危なっかしさ等、全体を覆う垢抜けなさはとても万人向けとは言い難い。しかし、それでもHELLOWEENフォロワーの域を脱せんとする意気込み漲る今作では、アンドレアス・マーシャルが手掛けたアートワーク(バンドのトレードマーク「マフティー君」も健在)のみならず、どこか欧州民謡っぽく響くメロディの哀愁、凝った曲展開のドラマ性、スケール感、いずれの面においてもレベルUP。美しいイントロを経て、2本のGが劇的に絡み合いながら疾走する様に痺れる①②のメドレー、その勢いを引き継ぐ③、そしてバンドのクサメロ・センスが爆発する④と、畳み掛けるA面のカッコ良さは、ジャーマン・メタルが盛り上がっていた90年代前半に本作の日本盤を出しても良かったのでは?と思えるクオリティですよ(劇的な⑥を配したB面も○)。
確かにイモ・メタルではありますが、「甘くて美味しいおイモだよ~、イモイモ」と、焼き芋屋ばりの口上でついお薦めしたくなる1枚。

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