この曲を聴け! 

Turn The Hell On / FIST
火薬バカ一代 ★★★ (2016-04-06 22:58:44)
英国はタイン・アンド・ウィア州にて結成。当初はAXEと名乗るも、アメリカに同名バンドが存在することを知り、名をFISTと改めた5人組が、デビュー・シングル『NAME, RANK AND SERIAL NUMBER』をスマッシュ・ヒットさせた勢いを駆って、メジャーのMCA RECORDSから’81年に発表した1stフル・アルバム。
どうもFISTについては、NWOBHMの中にあってアグレッシブ方向にもメロディアス方向にも振り切れない、中途半端というか地味な立ち位置のバンド…との偏見を持っていたのですが、いやいやいや。90年代の国内盤CD化を契機に購入したらば、これが熱気を孕んでドライヴするOPナンバー①が始まって早々にノックアウト。つか、そもそもつまんねぇ作品だったら何遍も日本盤がリイシューされるわきゃねえよな、と。気付くのが遅すぎましたね。
リフまたリフ攻勢で突き進む、NWOBHM然とした疾走ナンバー①④⑦と共に「FISTサウンド」の基軸を成す、五臓六腑に沁み渡るメロディの哀愁っぷりも本作の大きな魅力。特にシンプルな曲調に熱い泣きメロがアクセントを加える②、劇的に盛り上がる③、演歌ばりの嗚咽が入った⑧…と、これらを歌い上げるキース・サッチフィールドの塩辛いVoがまた良いんですよ。「味で勝負」系の人で抜群にテクニカルってわけじゃないのですが、持てる力すべてを振り絞るような熱唱はメタル魂を十二分に震わしてくれるという。
今にして思えば、シンガーを元HOLLOW GROUNDのグレン・コーツに代え5人編成でレコーディングされた2nd『BACK WITH A VENGEANCE』も買っときゃ良かったなと。

→同意