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Vinyl Confessions / KANSAS
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-29 22:45:00)
脱退したスティーヴ・ウォルシュに代わって、現在ではソロ・シンガー兼プロデューサーとして手腕を振るう
ジョン・エレファンテを加入させ、前作『AUDIO VISONS』から凡そ2年ぶりに発表された9thアルバム。
ジョン・エレファンテの声質が非常にスティーヴ・ウォルシュのそれと似通っている事と、彼の卓越した歌唱能力の
高さもあって、シンガー交代の違和感は殆ど感じられない本作。プログレ・ハード色がほぼ払拭され、シンプル且つ
コンパクトにまとめられた産業ロック・テイストが増強されているものの、ポップでキャッチーなメロディの魅力は
相変わらず高水準を維持。ただ今回は、曲によっては若干叙情性が薄らいでしまった印象が無きにしも非ずか。
洗練された泣きメロが心地良い、リリカルなポップ・チューン①、哀切に満ちた歌メロとピアノの旋律が
もう辛抱堪らんバラード④、ポップ・テイストが上手く活かされた⑧、ハードに本編ラストを締め括る⑩といった楽曲の
完成度の高さは「流石KANSAS!」といったところなれど、本作のハイライトは、間違いなくシャッフル・チューンの⑨。
特に、ドラマティックな曲調に凛とした気品を付与する、流麗なピアノの調べの素晴しさときたら!
バンドの顔であるシンガーの交代というマイナス要素を、全く物ともしない見事な完成度を誇る1枚。但し、次作で
ズッコケさせられる事となる、アメリカン・ロック路線への傾倒も(僅かながらも)感じ取れる内容である事も付け加えておきたい。

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