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Monolith / KANSAS
火薬バカ一代 ★★ (2008-12-21 00:20:00)
全米チャート最高第10位にランクインを果たし、一般的に、KANSAS黄金時代最後の作品とされる、
'79年発表の7thアルバム。(邦題は『モノリスの謎』)
コンセプト・アルバムというアイデアや、プログレッシブ・ロック然としたファンタジックなジャケット・アートワークに
反して、前作『POINT OF NO RETURN』よりも一層歌モノ化に拍車が掛かった内容に仕上がっている本作。
大作主義は更に薄まり、楽曲もコンパクトにまとめられているが、相変わらず細部に至るまで綿密に練り込まれた曲展開や
アレンジの数々、そして、フックに富むキャッチーなメロディ作りのセンスに全く鈍りが見られないため、
それもマイナスにはなっていない。というか寧ろポップになった分、メロディの素晴しさが益々引き立った印象すらある。
特に、スティーヴ・ウォルシュが情感豊かに歌い上げる泣きメロが、じんわりと胸に沁みる①と、軽快さの中から
一抹の寂寥感が滲み出す(歌詞も秀逸な)②という本編OPの2連発は、その成果とでも言うべき名曲たち。
また一方で、美しく劇的な③、一際ハード&ダイナミックな④、終盤に向けてドラマティックに盛り上がっていく
⑤のような、プログレ的な味わいが濃厚に感じられるタイプの楽曲も収録。従来の音楽性への目配せも抜かりなく、
新旧のファンの期待に見事に応えた内容に仕上がっている。ま、要するにこれもKANSASならではの名盤っつーことですね。

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