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Watching the World / CANNATA
火薬バカ一代 ★★★ (2016-01-04 22:26:58)
セルフ・タイトルのデビュー作がメロディ愛好家の間で絶賛されたARC ANGEL。その中心人物だったカナダ人ミュージシャンのジェフ・カンナタが、自主制作でレコーディングしたソロ・アルバムがコレ。'93年にはゼロ・コーポレーションを通じて日本盤もリリースされました。
90年代再発ブーム華やかなりし頃にARC ANGELの存在を知り、遡って本作も購入したのですが、これがプログレと呼ぶにはキャッチーで、AOR/産業ロックで括るにはインスト・パートや凝ったアレンジメントからアーティスティックな主張が迸るサウンドが、まさしくARC ANGEL時代そのまんまな音楽性で嬉しくなりましたね。
ジェフ・カンナタが甘く儚げに歌い上げるメロディが、ヴァースからサビに向かって聴き進めるに従い哀愁を深めていく①、躍動感溢れる②、サックスも取り入れたアーバン且つメロウな③という冒頭三連発で聴き手をぐっと作品世界に引きずり込んだ後は、プログレ・ハードの醍醐味が詰まった⑤を中途に挟んで、程々にドラマティックなラス曲⑨に至るまで、捨て曲なしの充実したひと時を過ごせることをお約束致します。
大陸的ポップ・センスと、欧州的な泣き/哀愁を内包するサウンドが、美しきカナディアン・メロディアスHRの理想的シルエットも描き出す1枚。未聴の方はARC ANGELの作品と併せてどうぞ。

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