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Surface of Pain / MASQUERADE
火薬バカ一代 ★★ (2015-11-28 08:51:38)
80年代フィーリング薫る、爽やかで健康的なメロディック・メタルを以って「TNTの後継者」と目されていたMASQURADEが、突如重心を低く落とし、ダークな緊迫感を放つ90年代型HMサウンドにモデル・チェンジ。多くの北欧メタル・ファンを「MASQUERADEよ、お前もか・・・」と嘆かせた'94年発表の2ndアルバム。
尤も、キャッチーな疾走感や透明感は薄れてしまっても、憂いの滲むメロディ・センスはきっちりと保持。また作曲面においてもリズムやアレンジ、曲展開にヒネリを加え、前作ではハイトーン一本槍の歌唱に単調なきらいがなくもなかったシンガーが、全声域を活かして伸びやかな歌声を披露する等、随所に創意工夫凝らされた本作は、安易に流行に擦り寄った軽薄感は皆無。実際、リリース当時から結構冷静に高評価を受けて、バンドは本作発表の同年クリスマスにはレーベルメイトのJACKALと来日公演も行っているんですよね。
そもそも彼らの場合、1stの時点でGが案外ハードに自己主張していたこともあり(既にここへと至る素地は十分にあった)、今更「ヘヴィになった」というよりは、「一層逞しくなった」と表現すべきでしょうかね。①や④はその好例というべき楽曲かなと。
MASQUERADEの必聴作が1stであることは厳然たる事実なれど、こうして聴き直してみて、本作の良さにも漸く気が付かされた次第。バンドからは「遅過ぎるよ!」と怒られてしまいそうですが。

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