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Suicide Society / ANNIHILATOR
火薬バカ一代 ★★★ (2015-10-20 22:36:39)
フロントマンであり、2ndギタリストであり、長らくジェフ・ウォーターズのサイドキックでもあったデイヴ・パッデンがまさかの脱退。そのためジェフが久々にシンガーも兼任する形で'15年に発表された最新作。
つっても、既にご承知の通り「ANNIHILATOR=ジェフ・ウォーターズ」なわけで、本作のクオリティにデイヴ脱退の影響は皆無。ヘヴィに弾む楽曲、美しくメロウな楽曲、そして高速スラッシュ・ナンバーと、コンパクト且つバラエティ豊かにまとめられた本編は、ここ数作の流儀に則ったANNIHILATOR以外の何者でもない仕上がり。その中で鋭利なリフを刻み、時に美しく/時に不気味なメロディを爪弾き、ソロはテクニカルに決めたりと、縦横無尽に飛び回るジェフの軽業師ばりのGプレイも、相変わらず抜群の切れ味を誇っています。
懸案事項であった歌唱力についても90年代とは雲泥の差。何よりメタルの「芯」を感じさせるジェフの歌声は楽曲のオールドスクール度を確実に底上げしてくれていて、この声あったればこそ、スラッシュ・メタル時代のMETALLICAを彷彿とさす②や、『ALICE IN HELL』『NEVER, NEVAER LAND』の頃を思い出させる④といった疾走ナンバーのカッコ良さが引き立ったのではないかと。
・・・と持ち上げた端から意見を翻すようで何なのですが、出来れば次回作では諦めずに専任シンガーを加入させてくれると嬉しいかなぁ、と。異なるシンガーとジェフの間に生まれる化学反応の数々はANNIHILATORのアルバムを聴く上で大きな楽しみ一つでしたし、あとジェフの場合、独りで何でもこなせる器用さがアダとなり、作品が予想の範囲内に卒なくまとまり過ぎてしまう危険性を排除するためにも、是非ご一考を。

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