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Unveiling the Wicked / EXCITER
火薬バカ一代 ★★★ (2015-08-13 00:07:02)
ジョン・リッチ(G)が脱退し、オリジナル・ラインナップが崩壊。しかし活動の勢いを鈍化させることを嫌ったバンドは直ちに旧知のギタリスト、ブライアン・マクフィーを迎え入れてツアーを続行すると、その合間にレコーディング作業も行い、'86年に本4thアルバムを発表しました。
突貫人事のようでいて、このブライアン氏が実に良いソロを弾く逸材でして。オールド・スクーラーな前任者に比べると、メタリックなリフを刻む傍らインスト曲②を始め、ソロ・パートではギター・ヒーロー然とした派手なGプレイも決めてみせる等、よりモダン(80年代当時)な感性の持ち主。それに触発されたのか、今作はカミソリっぷりは抑えめに、そのぶんキャッチーなメロディや構築感を重視し、JUDAS PRIEST型正統派HM路線への更なる接近が図られています。
で、こうなると問題になるのがダン・ビーラーの一発キメたようなVo。既に散々突っ込まれてる通り、一層メロディックになった楽器陣との乖離(というかテンションのズレ)は誰の耳にも明らかなんですが、でもじゃあ場の空気を読んで粛々と歌うダン・ビーラーをお望みか?と問われれば、答えは断じて否。この丸出しのメタルバカっぷり、ノー・ブレーキの「行ってこい」な全力投球シャウトこそが彼の個性なわけで。
あと本作を語る上で重要なのが、粒選りの収録曲の質の高さですよ。EXCITERらしいテンションの高さで突撃する①⑤⑧、ライブ映えしそうな③、重厚に押し寄せる⑦⑨etc・・・と、最高傑作の呼び声高い前作とタメ張るレベルの本編を聴いていると、諸々の問題点について「いいんだよ、細けぇこたぁ!」と心に棚を作る気になるってもんです。特に、起承転結を伴う劇的な疾走ナンバー⑥は数あるEXCITERの名曲の中でも五指に入るカッコ良さではないかと。
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