この曲を聴け!
Thunder and Steel down Under - a Tribute to Riot / V.A. (VARIOUS ARTISTS) / OMNIBUS
火薬バカ一代 ★★★ (2015-06-15 23:24:10)
CRYSTAL VIPERのマルタ&バートのガブリエル夫妻が音頭を取って制作。彼らの運営するSKOL RECORDSから1000枚限定で発売され、売上金は故マーク・リアリのお父上に寄付されるというRIOTのトリビュート・アルバム。
参加アーティストについては、既に失恋船長さんが詳細を語って下さっているので省略させて頂きますが、代表曲に正攻法で挑むにせよ、隠れた逸曲を引っ張り出すにせよ、いずれのバンドも――完成度に多少の差はあれど――RIOTに対する敬意溢れるカヴァー・バージョンを提供してくれています。(欧米におけるマイク・ディメオ時代の知名度の低さを実感させられる選曲ではありますけどね)
バラード風にアレンジされた“SOLDIER”を序曲代わりにドラマティックにスタートする“WARRIOR”(AXEL RUDI PELL)、分厚く勇壮なメロパワ調コーラスが印象的な仕上がりの“SIGN OF THE CRIMSON STORM”(ANGELO PERLEPES' MYSTERY)、NWOTHMバンドが持つ威勢の良さと、原曲に備わるドライヴ感とが相性バッチリな“ROAD RACIN'(NIGHT DEMON)、そして本家RIOTからトッド・マイケル・ホール(Vo)をゲストに招いて大トリを飾る“THUNDERSTEEL”(CRYSTAL VIPER)辺りは、元々の楽曲のカッコ良さと相俟って、特にナイスな出来栄えではないかと。
それにしても、艱難辛苦にもめげず活動を継続した結果、こうしてRIOTが数多のバンドから篤いリスペクトを集める存在となり、漸く今までの苦労が報われつつあったこの時期に、なぜマーク・リアリがこの世を去らねばならなかったのか?収支の釣り合いが全く取れてねぇだろがこの野郎!と、本作の完成度が高ければ高いほど、彼を襲った悲運を呪わしく思わずにはいられませんよ。
→同意