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Paradise Lost / CIRITH UNGOL
火薬バカ一代 ★★★ (2015-05-06 10:53:57)
'91年発表の4thアルバムで、個人的に初めて聴いたCIRITH UNGOLの作品がコレ。当時はどういった来歴のバンドか殆ど何も知らぬまま、「雑誌レビューで褒められてたから」という単純極まりない理由で購入。で、シンガーの調子っ外れな歌唱がどうにも受け入れられず、1、2度聴いたきりでCDラックの奥の方へ放り込んでしまいました。
しかし、その後初期作に触れる機会を経て、このバンドの個性(Voの歌唱スタイル含む)をそれなりに咀嚼した上で聴き直したらば、実は独特のチープネスやクサ味、アクの強さが抑えられた分、ドラマティックな曲展開やキャッチーなメロディといった、普遍的な正統派テイストの増強された本作が、彼らのカタログの中でも頭抜けた「取っ付き易さ」(及び完成度の高さ)を有していることが理解できた次第。
IRON MAIDENエキスが筋肉注射された勇壮な④を始めとするアルバム前半もなかなかのモノですが、圧巻なのは、ミルトンの『失楽園』を下敷きとした劇的極まりない楽曲が次々畳み掛けるラスト3曲。中でも8分以上に及ぶ大作ナンバー⑦は、エピック・カルト・メタルというジャンルを切り開いたCIRITH UNGOLの最高到達地点とも言える名曲ぶり。
マイケル・ウィーラン画伯の手による素晴らしきアートワーク『この世の海の彼方』に全く引けを取らない充実した内容を誇る力作。

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