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Blackwater Park / OPETH
鋼鉄の皇帝 ★★ (2005-06-03 16:09:00)
デス・メタルなのに芸術性と知性を感じさせるこのアルバムは自分にとってかなり衝撃的だった。
#1.The Leper Affinity を初めて聴いた時、ヘヴィなギターリフとツーバスが鳴り響いた瞬間、
黒い水に浸食される腐敗した森のアルバムジャケットから想像していた暗黒プログレとは少し違い、
意外にしっかりとしたデス・メタルで「もしかして〝そっち〟系とは違うのか!?」と思ったんだけど、
続く#2.Bleakからは徐々にその霊的で異様な空間に包まれる中、やっぱり自分の求めていた〝そっち〟系だと思って一安心。
Mikael Akerfeldt(Vo)の地の底から轟くようなデス・ヴォイスは不思議と楽曲の邪魔をしていなくて自然と聴けるのよね。
まぁこういう声を聴き慣れてない人が聴いたらドン引きするかもしれないけども(苦笑)。
そしてヘヴィでダークなパートから一転、アコースティックパートへと移ると、それまでの咆哮からは信じられないくらいに
耳当たりの良いクリーンヴォイスを聴かせてくれる。本当にすんごいヴォーカリストだねぇ。
一曲一曲が8分~10分近くの曲が大半を占めるけど、この世界に飲み込まれたらダルさなどは全く感じない。
そんな中、比較的短く(それでも6分近くあるけど)穏やかながら悲愴感漂う#3.Harvestは、もう胸キュンモノの泣きメロだ。
超絶テクを全面に押し出すタイプじゃないけど、スリリングで劇的な展開の中に存在する一瞬の静寂、その一瞬がたまらなく心地良い。
醜と美、相対するふたつの要素が融合した実に見事な作品だ。
哀しみと安堵。退廃的な美がアルバム全体から湧水のように滲み出て、聴き手を不穏な世界へと誘う。
冥府を取り囲む暗黒の沼地…「Black Water Park」
現世を越えた世界がここにある…!!
んん~これはまた素晴らしいアルバムに出会えたわ。…かなり遅めだけど(苦笑)。
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