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The Sign of the Jackal / DAMIEN THORNE
火薬バカ一代 ★★★ (2015-01-14 23:47:56)
オカルト映画史に足跡を残す名作『オーメン』。その主人公たる悪魔の申し子からバンド名を頂戴している、アメリカはイリノイ州シカゴ出身の4人組が'86年に発表した1stアルバム。
バンド名やアートワークのみならず、「刻む」というより「蠢く」と形容したくなるダークなGリフと、ハイトーンVoの芝居掛かった歌唱に導かれ繰り広げられるパワー・メタル・サウンドからも、明確なオカルト志向を窺い知ることが出来る本作ですが、ヨーロッパ産の同族に比べると耽美性や湿度は控えめ。それよりも荒々しいブチかましで中央突破を図る姿勢がアメリカンやなぁと。(ツアー・メイトもスラッシュ勢が多かったようですし)。というかコレ、ノリはSHRAPNELメタルですよね。
なので聴き始めはフックに欠ける大味さが気になったりもするのですが、中盤以降は、ルドルフ・ヘスの演説からスタートする⑤、高圧的に荒れ狂う⑥、トリに相応しい大仰さで迫り来る大作曲⑧のような、パワーのみならず、ドラマティックなメロディや曲展開にも気の払われた楽曲がギラリと存在感を放ち、本編に対する没入度の低下を防いでいます。
不器用ながらも愛すべきサムシングに満ちた1枚。ファンからの根強い支持の下、バンドが再結成を果たして80年代よりも元気に活動中なのも納得ですよ。
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