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Great White / GREAT WHITE
火薬バカ一代 ★★★ (2014-10-05 22:55:39)
GREAT WHITEと言えば、折からのLED ZEPPELIN人気の再燃やブルーズ・ブームを追い風に大ヒットを飛ばした『ONCE BITTEN』や『・・・TWICE SHY』こそが必聴盤なのでしょうが、個人的に彼らの作品で最も聴き直す頻度が高いのは、まだブルーズの「ブ」の字も見受けられない'84年発表のこの1stフル・アルバムだったりします。
マイケル・ワグナーが手掛けたブライトな音作りの下、溌剌と刻まれるGリフと「押しも引きも知ったこっちゃねえ」とばかりに若さ全開で歌いまくるジャック・ラッセルのVoを中心に組み立てられたサウンドは、まさに当時猛烈な勢いで伸して来ていたLAメタルそのもので、そこにブルージーな侘び寂びはほぼ皆無。
それでいて能天気にはならず、都会的とも言える冷ややかな感触と哀愁を宿しているのが本作の魅力。スピーディな①⑩や、ミッド・テンポの⑤といった正統派HMナンバーにおけるダブル・トラックで録られたマーク・ケンドールのGソロは微笑ましいぐらいJUDAS PRIESTしていますし、アコギを取り入れドラマティックに盛り上がる④も、ブルーズ・ロック的陰影よりは、ヨーロピアンHM伝来の様式美の方がより強く感じられます。
この路線では間違っても後の大成功はなかったと断言できますし、彼らにしてみりゃ若気の至り的1枚やもしれませんが、でもメタル脳的には本作が一番しっくり来るんだよなぁ、と。

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