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Fire of Unknown Origin / BLUE OYSTER CULT
火薬バカ一代 ★★ (2008-04-27 01:07:00)
初期の傑作『SECRET TREATIES』と双璧を為す、後期BOCの代表作としてファンから高い評価を得る'81年発表の8th。(邦題『呪われた炎』)
怪奇趣味が濃厚に漂うジャケット・アートワークもインパクト十分な本作だが、内容の方は、その不気味さに反して、
結構ポップ。前作『CULTOSAURUS ERECTUS』で聴かれたような、疾走感や大作主義、ドラマティックな曲展開といった要素は薄れ、
ミディアム・テンポを中心に、美しいメロディ、泣きのG、華麗なボーカル・ハーモニーが前面に押し出された楽曲は、
何れもコンパクトに練り込まれ、取り分け「キャッチーさ」にかけては、BOC史上最高といっても過言ではない。
しかも、単にポップで美しいだけでなく、アラン・レニアーによるシンセを多用したKeyプレイが、アルバム全編に
仄暗い叙情性とミステリアスな雰囲気を付与していて、美しさの向こう側に「恐怖」や「狂気」がうっすらと
透けて見えるという、BOCならではの個性もしっかりと保持。問題作『MIRRORS』の失敗(個人的には失敗だとは思っていないのですが)を繰り返すことなく、
メロディ重視の姿勢を一層押し進めることに成功している。
特に、ヘヴィ且つ怪しげな①、ポップ&キャッチーな②、重く、神秘的な③(歌詞はSF作家のマイケル・ムアコックが担当)
というアルバム冒頭3曲の強力な畳み掛け、そしてクラシカルなピアノによる荘厳なイントロで幕を開ける、
本編のハイライト足るドラマティックな名曲⑧といった楽曲は、後期BOCの中でも指折りの完成度の高さを誇る。
正直なところ、前記した数曲を除くと、個人的には然程思い入れのない作品だったりもするのだが
(最高傑作は『SPECTERS』派なので)、それと本作の完成度の高さは無関係。間違いなく名盤です。
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