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Origin of Extinction / MORTILLERY
火薬バカ一代 ★★★ (2014-07-18 23:50:48)
HOLY MOSESのザビーナ・クラッセンや、DETENTEのドーン・クロスビーのような姐御系シャウターではなく、メロディをきっちりと追いかけて「歌う」、例えるならZNOWHITEのニコル・リー系女性シンガーを擁する5人組カナディアン・スラッシャーが、'13年に発表した2ndアルバム。
カリカリに乾いたエッジーなGリフを小気味良く刻み、時にドラマティックなユニゾン・プレイも決めてくれる2本のGが全体を牽引する、正統派HM寄りのスラッシュ・サウンドが本作の持ち味。かっちりとした整合性よりも、ラフな威勢の良さが先走る演奏、ビールを燃料に駆動するエンジンの如き身体を気持ち良く揺するリズム・ワークからは、MOTORHEAD~EXODUSに通じるロックンロールのヴァイブも感じられたり。
しかし何と言っても、本作最大の聴きどころはカーラ・マカッチェン(Vo)の歌いっぷり。ハイピッチのシャウトやグロウルもこなす多芸さを誇る彼女ですが、やはりハイライトは、緩急の効いた曲展開が魅力の②や、アグレッシブ且つキャッチーな③、あらゆる事象にFUCK!を突きつける⑦といった、メロディアスな歌メロがフィーチュアされた楽曲の数々。それでいてスラッシュ・メタルならではの疾走感がスポイルされていないのも素晴らしい。
ボートラとしてオマケ収録されたRAZOR、ANTHRAX、ANGEL WITCHのカヴァーからも、彼らが目指す音楽的方向性がビンビンに伝わって来る1枚かと。

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