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From the Underground and Below / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★ (2014-07-02 23:11:59)
これまで駄作は一枚も作っていないと自信を持って断言できるOVERKILLですが、敢えて最も影の薄い作品を選ぶならば、個人的には'97年発表のこの9thアルバムがそれに当たるのではないかと。何せ、OVERKILL作品は可能な限り国内盤入手を課している身でありながら、未だに輸入盤しか持ってないぐらいでして。いやDEEP PURPLEの“SPACE TRUCKIN'”のカヴァー(日本盤のみのボートラ)目当てに買い直そうかと考えたことはあるのですが、後で『COVERKILL』で聴くことが出来るようになっちゃいましたからね。
コリン・リチャードソンが手掛けたプロダクションは迫力満点ですし、曲作りの上手さも相変わらず傑出していますが、徹頭徹尾スピードで押しまくる疾走ナンバーが姿を消した本編(速いパートはあるけど)は、OVERKILL史上、最もスラッシュ・メタル色の薄いグルーヴィな仕上がり。
パンキーに駆け抜ける⑥や、「シンガー」としてのブリッツの才能が遺憾なく発揮されている、明るく(!)アメリカンなバラード⑨なんかは好きな楽曲ですけれども、総合的に見た場合だと、コレといった強力な決め手に欠ける地味な印象が拭いきれない1枚かなぁ、と。
飽くまで「OVERKILLにしては」の話ですけどね。

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