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The Killing Kind / OVERKILL
火薬バカ一代 ★★ (2014-06-30 23:45:41)
シーンの潮流に逆い、前作『W.F.O.』を引っ提げていち早くスピード押しのスラッシュ路線に復帰を果たし、男を上げたOVERKILLですが、'96年発表の本8thアルバムでは再び横ノリのグルーヴとへヴィネスの拡充を図っていることからも明らかな通り、彼らの音楽的模索の道のりは、寧ろここからが本番でした。
Keyとストリングスを取り入れた異色のバラード⑨(好きな曲だけどね)の存在も、意欲作というより「試行錯誤」「実験作」との印象を補強する本作なれど、流行に飲み込まれてしまうのではなく、逆に流行を飲み込んで栄養分に変えてやらぁ!ってな、このガッツ、タフネスの迸りこそがOVERKILL。確かにへヴィだしグルーヴィなんだけど、キレキレなブリッツのVoとマッチョなD.D. ヴァーニのBが両軸となってサウンドを引き締めているため、ダラダラとした緩さは殆ど感じられません。本編最重の④や、「ホンワカパッパ!」と、まさかのドラえもん節がシャウトされる⑧等はその真骨頂と言えますし、そしてトドメは②。発射された徹甲弾の如き硬質な疾走感と、2本のGが織り成すドラマティックなメロディがグイグイ押し出してくる、OVERKILLならではの名曲っぷり。
今改めて聴くと、前作『W.F.O.』よりも良いんじゃね?と思われることしばしばな1枚です。

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