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Reborn from the Inferno / DARK RING
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-06-05 23:20:06)
2013年発表の1st。

中国産、しかもかなり若手のシンフォニック・ブラックメタルという事で、ぶっちゃけ物珍しさから購入してしまったんですが、これがメジャー志向のかなりクオリティの高い音で驚きました。オリエンタルさや辺境っぽさはなく、ストレートに煌びやかなシンフォブラック。オーケストレーションを用いた音像やクラシカルでクサいメロディセンスのみならず、暴虐なバンドサウンドの面でも全てにおいて「派手」な感じのする音、そんな印象を受ける作品。

メロデスにも通じる、メタリックでメロディアスなギターワークを交えて展開するバンドサウンドは取っ付き易くもありますが、爆走パートでのカチ込みっぷりが凄まじい。暴走感を演出するオカズを入れつつブラストで攻め立てるドラムがかなりかっこよく暴虐。若干バスドラの音が好みじゃないんですが、音の抜けは悪くなく、プロダクションはバンド全体で見ても割とクリア。

オーケストレーションを始めたメロディの使い方も当然の如く派手で、美メロ大仰メロの大判振る舞いという感じ。中国のバンドながら(だからこそ?)、ヨーロッパ風のロマンティシズムを感じます。特に「Glory of the Warrior」のクリーンヴォイスで歌われるパートには、思わず「騎士道精神」という単語が頭に浮かんでしまいました(笑)。ちょっと惜しかったのは、ヴォーカルワークに妙に印象に残る部分があったのに、ブックレットに歌詞の記載が無い事でしょうか。「Unchain」とか、ホント「妙に」印象深いんですよね…。

シンフォニックブラックって、テンプレートがほぼ出来上がってるようなジャンルで、録音技術も進歩してるせいか、1枚目の時点でクオリティの高い音を出すバンドが少なくないですが、それに加えて「味」もある音だと思います。それも如何にも中国とかアジアのバンド的なオリエンタリズムじゃない「味」なのが面白い。聴き手を置き去りにしない愛想の良さもあってお勧めですよ。

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