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Dies Irae ~Amantes Amentes~
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2014-05-27 10:06:29)
元はPCでのゲームだったものが、2012年にPSPに移植されたので私はそちらをプレイ。PSP版リリースにあたって追加された要素を含むバージョンもPCにも逆移植されてるみたいです。このジャンル、ぶっちゃけ「Fate」「ひぐらし」くらいしか知らないニワカですけど、友人が余りにも強硬に勧めるので購入。…このジャンル(テキスト系ADV)に造詣の浅い私でも、これは物凄い傑作ではないかと思います。
まず、数時間ぶっ続けでプレイしても苦にならない、時間の許す限り読み進めたくなるような、先が気になる、かつ常にプレイヤーの興味を引いてくれる展開が素晴らしい。上記のゲームでは、(日常パートをしっかり描く事で非日常パートが引き立つとは言え)日常パートが余りにも長く続く事で若干ダレてたんですが、本作はそれが完全に払拭されてる。戦闘パートはやや長めに感じなくもないですが、常に緊張感があって引き込まれます。
個人的に一番素晴らしいと思ったのは、世界観の根幹の設定ですね。詳しく語り過ぎるとネタバレになるので多くは語れませんが、「キャラクターの造詣」と「キャラクターの持つ能力」、そして「世界観の設定」それ自体が密接に結びついているのが、興味深く面白い。世界観が明らかになっていくさまや、その世界観があるが故の登場人物の心情の動きなどを盛り込んだ展開は、ホント正しく素晴らしくエンターテイメントしてると思う。
そしてキャラクター、特に敵キャラも、これまた素晴らしいです。「こんな奴に勝てるのか…」と、絶望的な気分にすらなってしまう存在感のラインハルト、変人やひねくれものもここまで来れば強烈な魅力なカール・クラフト、小物っぽさが良い味を出してるロート・シュピーネ辺りも魅力的ですが、個人的にはベイ中尉推しです(笑)。この人の獲物をいたぶるような、嗜虐的な喋りがゾクゾク来る(笑)。かっこいいという言葉すら生温い魅力のあるキャラだと思います。
音楽もクサメタラーを悶絶せしめるメロディアスさと、戦闘シーンの楽曲らしい緊張感を湛え、前述のベイ中尉のカリスマ演出にも一役も二役も買ってる「Rozen Vamp」を始め良曲揃いですし、若干動作が重い事を除いては面白さに隙のないゲームだと思います。出来ればこれからプレイされる方は、特に世界観のネタバレは読まずにプレイして欲しい所ですね。
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