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Ágætis byrjun / Sigur Rós
netal ★★★ (2014-05-14 18:45:59)
Simon Reynoldsという批評家曰く、ポストロックとは
「using rock instrumentation for non-rock purposes, using guitars as facilitators of timbre and textures rather than riffs and power chords」だそうだ。
本作は正にこの言葉がぴったり当てはまる。
ギターはボウイングにより演奏されていて 、リフや明確なメロディを演奏する事が殆どない。
それよりもストリングスやベース等の方が明確な旋律を担っており、ギターは専らノイジーでアトモスフィアの演出に使われている。
ドラムはビートを刻んでいると言えるパートは少ない。ブラシスティック等を絡めて抑制された演奏が雰囲気を高めている。
ヴォーカルはファルセットを主体とした安らかな声。何となく少年少女の楽しげな声を思い出すのは自分だけだろうか。
という訳で、リフやビートではなくアトモスフィアを味わうのがこのアルバムだと思うが、そのアトモスフィアが素晴らしい。
非現実的で曖昧な空間、幻想的な世界が広がっている。
ジャケットに羽の生えた胎児が描かれているが、その純粋無垢さを象徴するかのような音像である。
言葉や知的概念の刻みつけられていない、何にでも昇華する可能性を秘めたような生命の持つ純粋無垢。
この作品を聴いていると、それを垣間見たかのような、清らかで安らいだ気持ちになる。
気に入り度…91/100
おすすめ…Hjartað Hamast (Bamm Bamm Bamm)
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