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Better Days Comin’ / WINGER
ヤングラジオ (2014-05-06 04:37:08)
僕は、楽曲の出来が良いと思っても否定することがあるし、逆に楽曲の出来はイマイチと感じたとしても称賛することがある。
例えば「Ⅳ」なんかは、楽曲の出来そのものは決して悪くないと思う。
その考えは、当時も今も実は変わっていない。
だけど、アプローチの仕方、作品に対する考え方を変えれば、もっと良いアルバムに仕上がった可能性が高いと感じたので、当時は肯定はしなかった。
楽曲の出来は、勿論大事なことではあるけれど、それが好きなバンドである場合、僕は点より線という視点で見てしまう習性がある。
これを肯定すると、次作はどうなるのか.......そのシミュレーションの結果が良くないから、肯定は出来ないという考えになる。

逆に「KARMA」に関して言えば、黄金期の良さを復活させたいという意図が作品全体に感じられ、これこそが多くのファンが期待する路線であり、個人的にもこれだと感じたので高評価となった。
実際、楽曲の出来も良くて、このバンドらしい楽曲におけるらしいフックが復活した点は、嬉しい誤算でもあった。
この考えの延長線上であれば......新作はきっと......。

そして、4年半振り新作の登場である。
僕の考えでは、「Ⅳ」は再始動後初のオリジナル作品という事もあり、モダンさにある程度力点が置かれていたように思う。
そして「KARMA」は、昔の良さを出来るだけ復活させようとしたハズである。
すると、この新作はどうなのか......。

恐らく、この作品フラットな気持ちで何の気負いもなく自然に出来た結果である気がする。
明確なテーマも見えないし、前作と前々作とも違う気がする。
個人的には、バンド自身が最も好きではない2ndのような、1曲1曲が独立した個性感溢れる作品を期待していたけど、そうはなっていない。
僕は「KARMA」が好きだったので、その流れを心の中で期待していたけど、4年半という時間の経過は結果として長かった気がしてしまう。

作品に対する評価は、敢えてしない。
ファンの視点によって、評価が分かれる作品である事は間違いない。
今の時代、作りこむのはバンド自身が最も嫌う事かもしれないけど、このバンドの場合それをすれば、その分の結果はきっとついてくるハズである。

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