この曲を聴け!
Paradise Theatre / STYX
クーカイ ★★ (2001-06-22 23:22:00)
さて、問題です。アメリカン・プログレハードバンドのうち、代表的なものを3つ挙げなさい。
という設問があったとしよう。私は迷わず最初にSTYXを挙げる。他の2つは?KANSASとBOSTONかな。
アメリカン・プログレハードと聞いても、ピンとこない人が多いかもしれない。一言で言えば「プログレの亜流」になるのだろうか。しかし純正のプログレッシブロックではなく、もっとポップで明るくて、プログレ特有の難解さが薄まっている。まあ、アメリカ人がプログレをやろうとしたらこうなっちゃいましたという音楽である。
閑話休題。本題に入ろう。本作はSTYXの最高傑作である。ただし、プログレハードではない。もっと人口に膾炙する普遍的なHRである。
「これ、HRじゃないでしょう」という人もいるかもしれない。たしかに甘くて、絞ると水が出そうなほど叙情的である。渋谷陽一氏も嫌いなバンドの一つに挙げていた。
だが、しかし。しっとりと始まる①から一転してハードドライヴィングな②に移るスリリングな展開、不思議な雰囲気を醸し出すポップな③、誰がなんと言おうと聴いていると泣けてくる、超名バラードの⑤、間奏部がこのバンドの出自を表明している、ちょっとプログレハードな⑥、明るいけどせつない⑦、本アルバム中最も重い⑧、ワイルドなリフが格好良い⑨など、最高傑作の名にふさわしい内容に仕上がっている。
メロディアスなHRが好きな人は是非聴いてみて欲しい。決して後悔はさせない。
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