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Fast Loud Death / Lost Society
火薬バカ一代 ★★★ (2014-01-11 00:32:13)
フィンランドから彗星の如く現れた期待の新人スラッシャー、'12年発表の1stアルバム。(邦題は『すべての若きスラッシャーども』)
屈強に締まった音作りと演奏の下、キレっキレなGリフ&スーパーボールよろしくしなやかに跳ね回るリズムとが一気呵成に畳み掛けるスラッシュ・サウンドは、硬質且つキャッチーな疾走感を前面に押し立てつつも、スピード一辺倒に陥ることはなく、全体の緩急/ライブ映えを踏まえて要所に歯切れの良いグルーヴを仕込んでみせる隙のなさ。更には正統派へヴィ・メタリックなインスト・パートを擁する⑪のような楽曲も収録する等、とにかく一事が万事、アルバム作りにおいて抜かりがない。(ジャケットを手掛けているのもエド・レプカ画伯ですよ)。
それでいて優等生っぽく落ち着いてしまわず、適度にバカっぽさも散りばめられているのだから、なんつーか全編に「これを20代そこそこの若造が作ったの?本当に?」的な貫禄が漂ってますよ。
ここまで卒がないと「いやでも頭抜けた曲がないし」とか「もっと北欧っぽさが欲しいし」とか、無理くりにでも注文付けたくなりますが、まぁ悔し紛れの難癖だと思って頂いて構いません。そも頭抜けた曲がないのは、収録楽曲の平均レベルの高さの表れですしね。
老婆心ながら、この完成度の高さに、逆に次作以降のことが心配になってくる1枚。まぁ余計なお世話ですわな。

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