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Sacra Privata / WISDOM (PARAGUAY)
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2013-12-18 23:59:46)
2009年発表の3rd。

店頭ではパラグアイ産のブラック/スラッシュとして紹介されてましたが、スラッシー度/オールドスクール度はWATAINやGORGOROTH以上、AURA NOIRやCARPATHIAN FOREST未満くらいでしょうか。あからさまに邪悪さを強調するトレモロ、クリアながらドスの効いたプロダクション、野太く威圧感のある中音域でのがなりヴォーカル、ブラスト頻度も高い暴虐な展開と、WATAIN辺りの持つどす黒い真性テイストも濃厚で、個人的にはRAVENCULTやNIFELHEIM等のバンドに近い作風に感じました。

南米産のバンドなんですが、トレモロに込められたサタニックさが北欧のバンド以上にあからさまなのがまた素晴らしいんですよね。例えばインスト明け2曲目の「Ave Kadath」やタイトル曲なんかは、初っ端から不運を呼ぶ風が吹き付ける如き禍々しいメロウなトレモロを聴かせ、一瞬で持ってかれてしまいます。メロディセンスは相当に良いと思う。オールドスクールな展開のもたらすストレートなかっこよさとも相俟って、楽曲はメリハリのある仕上がり。

ちなみに南米産のバンドを多く扱う有名レーベル、Hammer of Damnationからの再発盤には、ボーナスでBathoryのカヴァーに加え、95年から2000年までの音源から6曲が収録されており、軽くベスト盤の様相を呈していてかなりお得。95年の音源は如何にもデモって感じですが、メロウさをRAWさが際立てる97年音源、サタニックなムードの色濃い2000年音源など本編とは違う味わいで良い感じ。ただ、Satanic Propagandaから出てるオリジナル盤は、DISSECTIONの超名曲「The Somberlain」のカヴァーが付くらしいので、そっちを探すのもありかも。

メロディアスながら甘くならず、禍々しい雰囲気を伝えるトレモロや、オールドスクールな熱さがもたらすダーティなかっこよさ、太いバンドサウンドが醸し出す真性な凄みなど、ブラックメタルの魅力を分かりやすく伝え、尚且つ真っ当な質の高さもある好盤です。北欧やギリシャなどのバンドを好んで聴く方にもお勧め。

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