この曲を聴け! 

One Night Only / THIN LIZZY
はっちゃん ★★ (2013-12-02 00:42:59)
THIN LIZZYの曲が聴けるのであれば、それはそれで嬉しいことだ。

YOU TUBEなんかを見ていると、THIN LIZZYのコピーバンドが世界中で頑張っていることがわかる。
ここ日本においてもLIZZY BOYSというバンドが相当なハイレベルでプレイしていて、実際に当地で
行われるフィルのトリビュート・ライヴにも参戦していて海外での認知度も高い。
こうしたことからも国を問わず、年齢を性別を優劣を問わず、21世紀の今もTHIN LIZZYは愛されて
いるということを実感できる。

しかし、それが当事者ということであれば話は別だ。
そもそもTHIN LIZZYという名義を使用するには法的な条件が必要になってくる。
オリジナル・メンバーのブライアン・ダウニーと黄金期を支えたスコット・ゴーハムそしてフィルの
妻であったキャロラインの3者の許可が無ければTHIN LIZZYを名乗ることはできない。
ぶっちゃけジョン・サイクスは当事者でありながら部外者なのだ。
その彼がこの問題をクリアすべく奔走した情熱には本当に頭が下がる思いがする。サイクスのLIZZY愛は
原カントクのジャイアンツ愛よりも深く熱いということなのだろう。

このメンツがLIZZYナンバーを演奏するとどんな風に聴こえるのか、ある程度の予測はできた。
ウワモノ3人は元LIZZYだから違和感は無い。リズム隊の2人に関しては「…まあ、こうなるよね」と
ガッカリ方向で納得。2人が悪いわけじゃない。彼らには彼らのプレイ・スタイルがある。
だが、ファンの耳は厳しい。比較される相手はフィリップ・ライノット率いる『真・LIZZY』なのだ。

比較さえしなければ、コピーバンドとしてこれほどハイクォリティなものは無いと言える。
収録された曲も過去のライヴでは定番のナンバーばかりで意外性は無いがおおむね楽しめるものだ。
コアなマニアからは気持ちいいほど真っ向から否定されるこの『THIN SYKES』だが、もともとジョンは
僕らと同じくただのLIZZY好きの兄ちゃんだったはずだ。LIZZYへの愛と敬意はビッグファンの僕らと
なんら変わらない。ゴリ押し感が少々メディアに拾われすぎなのは気の毒だ。

残念に思うのは、ジョン・サイクスの大ファンは「THUNDER AND LIGHTNING」は聴くけれどLIZZYの
他の作品はちょっと…という人が割りと多いのが少し寂しい。ま、嗜好の問題は仕方ないけど。

→同意