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Call of the Blackened Woods / BLUTKLINGE
Usher-to-the-ETHER ★★ (2013-09-24 19:06:32)
2007年発表の4曲入りEP。
…と言っても、現在流通しているEwiges Eis盤はボーナストラックが1曲入っていて、演奏時間は40分以上で、ボリュームはフル並。

作風としては、物悲しいメロディのトレモロやアルペジオ、非人間的なまでに歪み切った絶叫と嘆きを乗せた呻きを使い分けるヴォーカルを、一部ブラストを交えつつ基本スローなリズムに乗せて展開していく、鬱ブラックの典型と言えるような感じですが…。まず肝であるメロディが非常に秀逸。鬱や絶望よりも、涙腺を刺激するような悲哀の感情に満ちたようなメロディが、全編に渡って横行。

個人的には、実はストイックで地味なメロディよりも、こうした分かりやすく琴線に響くメロディの方が好みなんですよね。それを弾くギターの音色も、金属質なノイジーさを強調しながらも、耳に痛かったり変に人工的だったりという事のない、奥行きを感じさせるような歪みの掛かったもので、上手くメロディの物悲しさを強調しているように思います。例えば、NARGAROTHの「Geliebte des Regens」アルバムは、ミニマリズム・悲哀・ノイジーさの全てで振り切っていましたが、それらをもう少しマイルドに仕上げた感じ…というと近いかもしれません。

タイプとしては鬱系に属する音ですが、カテゴリの中でも泣き要素の強い一枚。メロブラ好きもスローである程度ミニマルな作風が大丈夫であれば行けるかも。

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