この曲を聴け! 

Music From "The Elder" / KISS
帰ってきたクーカイ(2013-08-01 18:23:31)
 上で、何人かの方が書かれているが、本作はKISS初心者にはお勧めできない。
 かくいう私も、本来ならこの作品を購入する前に、聴いておくべきKISSの名作アルバムがあることは知っている。なら、何故にKISSのコアなファン以外はまたいで通った方が良い本作を、あえて聴き、かつコメントするのか。
 それは、LOU REEDが作詞に一枚噛んでいるからに他ならない。
 だが、結論としては、バンドメンバー以外の誰かが数曲で作詞していようが、音楽性はそうガラッと変わるものでもない。むしろ、本作の雰囲気を決定的に他のアルバムと違ったものにしているのは、プロデューサーのボブ・エズリンである。
 すでに上で言及されているとおり、本作の出来は決して悪くはない。
 だが、KISSのもつ、ラフでキャッチーで、チープなのだが魅力的でもある部分が極端に減退し、緻密で、荘厳な曲作り、アルバム作りが為されている。つまり、完成度は高いのだが「らしくない」のだ。
 しかも、クラシックでいうと、ベートーヴェンの“第九”のように、徐々に緊張感が高まっていき、一番最後が最も盛り上がるような構成になっているため、アルバム全編を聴かないと、良さがわからないのも痛いところだ。
 「The Oath」や「I」など良い曲が収録されているのだが、まぁ勿体ないアルバムと言える。

→同意