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Wages of Sin / ARCH ENEMY
電動親父 ★★ (2006-05-06 12:07:00)
ドイツ出身のアンジェラ・ゴソウを迎えてのARCH ENEMYの4枚目。
初めてCDを掛けてENEMY WITHINの繊細なピアノイントロが静かに流れる。
どんな声なのだろう? 緊張が数秒続き、鬼気迫るメインリフが激鉄の如く叩き込まれる。
そして怒涛の疾走へとなだれ込み、ついにアンジェラの正体が現れる。
何だこの凄い声は? 本当に女性なのか?
女性でココまでエクストリームな声を出せるものなのかと驚愕した。
デスメタルという点では遥かに前任者を上回っておりパワフルで獰猛な咆哮だが、
叙情美を最大の魅力とするARCH ENEMYにとっては前任者の命がけで叫び続けているかの様な
ギリギリのパフォーマンスが一つの売りだったと思うし、
ファンも圧倒的攻撃型ボイスに魅力を感じて付いてきてた。
いわゆる普通のデスメタルに近づいてしまった感が否めないが、
アンジェラにとって美女が放つ絶望的な咆哮という大きなギャップが大きな売りであり、
どちらが優れているかとは一概には決め難いしファンの自由でもあると思うが、
私はどちらにも他のバンドに無い素晴らしい魅力があると思うし、
だからこそARCH ENEMYは未だ多くのファンに愛されてるのだとも思う。
何にしてもAMOTT兄弟の悲哀満載の叙情劇がここでは健在なのだし、
どちらのヴォーカリストも実にARCH ENEMYの顔としてはこれ以上ない程にマッチしている。
ENEMY WITHINは彼らの代表曲となったし、アンジェラ以外に歌う事は出来ないのだから。
シングル化されたBURNING ANGELのキャッチーとダークの狭間を行く妙技、
RAVENOUSの鬼気迫るイントロ&叙情的な強烈リフと疾走感、
速い、遅い、軽い、重い、緩急が行き過ぎな位
激しくダニエルのドラムが大暴れするDEAD BURY THEIR DEAD、
胸を引き裂く様な悲しく儚げなギターソロが後半に据えられているBEHIND THE SMILE。
1ST.の頃から思うとどこか単調な印象がぬぐいきれなかったが随分進化したものである。
リズムアレンジが非常に激しく、豪快、爽快、重苦しい、怒涛の疾走、
色んな表情のARCH ENEMYが堪能できるアルバムだ。
叙情性タップリなツインリードは益々磨きがかかり、究極の哀愁を醸し出している。
神がかり的な完成度を誇るBURNING BRIDGESには僅かながら及ばないものの
私の中ではこのWAGES OF SINはほぼ横並びである。
BURNING BRIDGESをアンジェラが録音していたら・・・と
想像しても答えが出ない事を想像してしまう。
ANTHEMS OF REBELLIONではマイケルアモットの苦悩が伺える程、
様式美が衰退してしまい、失速してしまった感が否めず、
アンジェラの進化もさほど見受けられなかった。
しかしまだまだ未開花のポテンシャルを秘めている恐るべきボーカリストだと信じている。
アンジェラがデビューを飾るこのWAGES OF SINは女性デスメタルを毛嫌いする人には
騙されたと思って是非一度聴いてみて欲しいものだ。
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