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ΠΥΡΙΜΑΝΗΣ (pyrimanes) / DUSKEN
Usher-to-the-ETHER ★★ (2013-04-30 10:31:47)
2008年発表の2nd。
ブラックメタルらしい邪悪な雰囲気を纏ったトレモロリフを武器に、しっかりした展開を緩急付けて聴かせる、王道のブラックで、端的に言ってWATAIN辺りに近い音。ある程度クリアさも保ちつつ、湿り気も含み陰鬱さを助長する音質、WATAINのErik氏に通じる憎悪を込めたドスの効いたがなり、トレモロに頼り切らない楽曲構成、フレンチ勢に通じる毒のある宗教じみたメロディ等、各要素レベル高く纏め上げられている感じ。
但しWATAINやVALKYRJA辺りの、似た系統のバンドと比べると、こちらはメタリックな高揚感はかなり抑え目で、むしろディプレッシブ・ブラックに通じるような沈み込むような陰鬱さも伴っているのが特徴ですね。儀式的な雰囲気が強い音作り、平坦気味に擦り込むようなリフを多用するギターワークの傾向等がそういうムードを作り上げているように思います。上記したバンドに比べると、もうちょっとアングラ・マイナー志向な感じ。
まあ安定のWTCクオリティなので、この手のブラックが好きならば買って損に思うことはまずないかと。最近のブラックはこれくらいのカルトバンドの作品でも、過去の名盤群より聴きやすい音作りになってる傾向があるように思います。良くも悪くもですけど…。
→同意