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Lillian Axe / LILLIAN AXE
火薬バカ一代 ★★ (2012-11-21 22:38:08)
『POETIC JUSTICE』で初めてLILLIAN AXEサウンドに触れ、その後、遡って'88年リリースのこのデビュー作を聴いた時は、叙情性や繊細さよりもLAメタル然としたノリの良さが勝りがちな作風に「あれれ?」ってな感想を抱いたことを思い出します。何せ、本編の幕が上がってのロン・テイラー(Vo)の第一声が「OH! YEAH!」ですからね。そりゃRATTのロビン・クロスビーがプロデュースするよね、と。
尤も、こうしたアメリカンでグルーヴィな要素もLILLIAN AXEの重要な個性の1つ。それに何より、既にスティーヴ・ブレイズのギタリストとしての、メロディ・メイカーとしての才能の煌きは③等を手始めに随所で確認することも出来ます。中でも、じんわりとした温もりを感じさせるバラード⑦、憂いと緊迫感を帯びた⑧、そしてアルバムのハイライトにして、LILLIAN AXE史に残るドラマティックな泣きの名曲⑨が連続する終盤の盛り上がりには素晴しいものがあります。
過ぎたるは及ばざるが如しで、若さに任せた大味な楽曲もチラホラ見受けられたりもするのですが、それもまたデビュー作ならではの魅力と言えるのではないでしょうか。

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