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Burning in the Shade / TYGERS OF PAN TANG
MACHINE HEART ★★ (2012-08-24 23:22:13)
1987年発表の通算6作目。
ジョン・サイクス脱退後の「THE CAGE」で既に兆候はありましたが、前作「THE WRECK-AGE」にて、キーボードやコーラスを全面に取り入れた大胆なサウンドの変貌を遂げた彼等。
しかしながら更なる「ポップ化」のイメージは拭えず、初期からのファンにそっぽを向かれ、タイトル通り日陰で消えていった感のある悲しい1枚ですが、今聴くとこれはこれでなかなか面白い作品だと思うのです。
前作では元々あったハードな部分とポップな部分の間でサウンドの迷いが感じられましたが、開き直りとも取れる本作ではハードさが更に抑え目に、キーボードに彩られる歌メロが全面に出されています(VANDENBERGの「ALIBI」みたいなジャケットは酷いですが)。
特に”MARIA”や”THE MEMORY FADES”等の哀メロメインのナンバーあたりは、ジョナサン・デヴァリルの本領発揮とも言える熱唱が聴けます。
80年代中盤のブリティッシュバンドだとLIONHEARTやSTRATUSあたりがこの手のハードポップをやっていましたが、
カラッとしてるけどどこかしんみりとした"THE FIRST(THE ONLY ONE)"、切なげなツインリードが彩る"DREAM TICKET"、キャッチーさの中に切なさを留めた”THE MEMORY FADES”など、
「問題作」ではないですが、TYGERS OF PAN TANGという名の別バンドとして聴けばそれなりに聴きどころがあったりします。
むしろ前述のバンドみたいに「アルバム1枚だけ出して解散」とかの方が、後々何年か経って再発を機に再評価されたのかな?・・・と思うと、やはりバンドって難しい・・・。

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