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As a Sin / LORD AGHEROS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-05-04 21:41:23)
2008年発表の2nd。
メンバーの写真が如何にもイタリアの伊達男って感じで、かなりのイケメンですけど(笑)、そんな見た目とは裏腹に、鬱ブラックや葬式ドゥーム以上の悲壮感が感じられる、アトモスフェリックなブラックメタルが展開されてますね。

ノイジーながら控えめなバンドサウンドと、呼気とエッジ音で無理に搾り出すような喉の痛そうなヴォーカルを、空間系のシンセやピアノが包み込む作風で、一枚を通じて聴ける、誰かを悼んでいるかのような沈痛で儚げなピアノのメロディが非常に印象的。セピアの追憶の情景が緩やかに流れていくようなメロディで、鬱系が葬式ムードならこちらは告別式といった感じ。クワイアが入るパートなんかは、むしろ式とか通り越して霊界だか冥界だかに魂引っ張られそうになりますが。

また、SE的なサンプリングを曲に取り込んでいたり、メディテーション音楽的なシンセの音色が取り入れられていたり、パーカッシブなリズムも顔を出したりなど、所々でアヴァンギャルド/プログレッシブなアレンジが顔を出すのも特徴ですね。個人的には、6曲目後半の、日本の伝統芸能をイタリア人がアレンジしたような妙なムードのパートや、タイトル曲の今までに聴いた事がないような、奇天烈なアコギなフレーズなんかは非常に印象に残りました。一部に限って言えば、変態的と言っても過言ではないと思う。

実験的要素が奇抜過ぎて、全体に漂うセピアなムードに対してインパクトがありすぎるきらいはあるんですが、濃厚な雰囲気で浸らせてくれるし、ユニークで面白い作品に仕上がってると思う。悲壮感のある作品、個性派ブラック好きならば是非。

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