この曲を聴け!
Telepathic With the Deceased / XASTHUR
hiromushi ★★ (2012-05-04 20:33:50)
2004年作品。裏B級ホラーマニア限定みたいな録音音質、海賊盤デモテープくらいの生々しい現音で、ギリギリ聴けるラインであるのに内容が濃淡はっきり、油絵の具を丹念に塗り込めたようなザーザーノイズに泣きの慟哭たっぷりです。
強弱、押し引きの波に乗せて曲のテンポもインパクトもまばらで飽きがこない。曲構成はベースが主立っていてきっちり、フックは最小限に設けられロックとクラシックの融合が見事。更にメタルやオルタナティブ様々な影響を思わせ、この一枚聴いただけでも色々と音楽の可能性や間口が広がりそうなところは凄い才能の持ち主だなあと、唸るばかり。
聴いてて途中で集中力が切れるのではないかと不安になるため、一気に聴くのが辛い。集中豪雨かと思うようなパワフルな曲を書いていくうちに失速のドローンになったりするため、やはりお酒のお供にちょうどいいのかも。前頭葉に染み入る、染み入る。そしてグルグルとした混迷の状態、みたいなサウンドで大人向けな感じです。ホント、悪酔いしそう。全体がトワイライトゾーン。
ブックレット(という程でもない写真、簡素で華ある)の人骨スタンドが独り優良ペイガニストの主張や青春ぽさも醸し出し、ロックお偏差値高めな印象、そしてノリが良く明るい、派手さが妙に印象に残ります。
ボーカルは悲痛ですが、乾いたウェットで特徴あるのだか微妙なのでもしかしたら誰か他の人に歌ってもらった方が本望だったかも知れないです。ピアノもややもったりとしたつたない感じですがメロディラインはとてもいいと思います。いい音質じゃないのが非常にもったいなく感じる傑作ということで。
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