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Free / STONE
火薬バカ一代 ★★ (2012-04-20 07:08:42)
深雪を踏み締めるかのようにザクザクと刻まれるGリフ、緩急を飲み込んでタイト且つソリッドに疾走するリズム、そして寒々しいメロディをぶっきらぼうに歌うVoとが一体となった、独特の荒涼感漂うスラッシュ・メタル・サウンドを武器に、メタル不毛の地であった前世紀のフィンランドにおいて唯一(?)気を吐いた4人組パワー/スラッシュ・メタル・バンドの最終作となった、'93年リリースのライブ・アルバム。
解散記念盤という作品の性質上、感傷的な空気が充満していてもおかしくないわけですが、どっこい、その手の湿った空気は皆無・・・どころか、MCや観客との掛け合いすら大胆にオミットして、どこか淡々と進行していくライブ運びがこのバンドの作風に合致していて、ちょっと笑ってしまいましたね。(ライブならではの「お遊び」が感じられるのはDOORSの“THE END”が混ぜられた⑫ぐらいか?)
演奏はタイトでパワフル、今や売れっ子プロデューサーとなったミッコ・カーミラが手掛けた生々しい音作りは迫力十分。収録曲は“GET STONED”“SMALE TALES”“SWEET DREAMS”“OVERTAKE”等、その殆どが1stと4thからの選曲となっていますが、美味しいところは押さえられている上に、その2枚がSTONEのアルバムでは最もお気に入りな我が身としては何の問題もなし。
解散云々は脇に置いて、STONE入門用のベスト盤的役割を果たす作品じゃないかな、と。

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