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HUMAN FUEL OF DEATH / OHTAR
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-03-13 21:10:56)
2007年発表の3rd。

ポーランドのNS勢に特有の、厭世的な怨嗟と土着的な叙情性の両方を兼ね備えた、薄暗く悲壮感漂うトレモロリフを、まるで缶を叩くようなRAWで軽めのドラムに乗せて疾走する、プリミティブ系に近い音作りのブラックメタル。メロウなアルペジオやリードギターを導入したドラマティックな展開、スラッシュ要素も強いオールドスクールで、ストレートにかっこいいリフ捌きなども取り入れた起伏のある展開、RAWながら耳に痛くない、メロディもある程度立たせた音質で、カルトなブラックの中では割と聴きやすい音。

しかし、ポーランドのNSブラックのシーンって気合入ったヴォーカルが多いですけど、このバンドも大概ですよね…潰れたがなりスタイルなんですが、その潰れ方が尋常じゃない。マジで潰れたカエルを思わせるような、断続的なエッジ音がガリガリ鳴るような凄まじくひしゃげた声。常に歯軋りして額に青筋立てながら歌ってる感じ。これをリリースした時点ではかなりベテランのはずだし、シーンでも有名な存在になってるはずなのに、この衝動全開さは素晴らしい。

そういう訳で、このシーンのバンドを漁っている方なら一回聴いただけでピンと来るような音。個人的にも聴きやすさとカルト性のバランスが丁度良い按配の作品だと思いますし、悲壮なトレモロを従えたRAWな疾走はこのジャンルの魅力を分かりやすく伝えてくれるので、お勧めです。

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