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Symphonic Moon / LIV MOON
火薬バカ一代 ★★★ (2012-03-05 23:21:39)
前2作を大きく上回る完成度を提示し、豪奢にして玲瓏なシンフォニック・メタルの世界にどっぷりと浸りきれる'12年発表の3rdフル・アルバム。
壮大なサウンドを微塵も揺るぎなく支えるバカテク楽器陣の援護射撃を受け、旧作に散見されたポップなノリやダンサブルなアレンジが影を潜めた楽曲は、心打つ哀メロや繊細なアレンジの魅力はそのままに、へヴィ・メタリックな疾走感/ダイナミズム/アグレッションが大幅増量。
これまでよりもグッと引き締まり、最初から最後までダレ場なしに聴き通すことが出来るようになったサウンドに乗る、看板娘たるアカネ・リヴ嬢の歌唱能力もさらなる熟達振りを見せ、生と死を象徴する「白LIV」「黒LIV」の艶姿を戴くゴージャスなアートワークに象徴されるよう、今回は十八番の神々しいソプラノ・ボイスのみならず、中~低音域を駆使した妖艶な歌声も積極活用し、楽曲に更なる深みと陰影をもたらしている。
ANTHEMの清水昭男(G)が提供した神秘的且つ荘厳な“AMEN!”“零の天使”、オペラティックなコーラスとシンフォニックな装飾を纏った“KISS ME KILL ME”、飛翔感と高揚感を併せ持つ“心月世”、そしてアルバムのクライマックスを劇的に駆け抜けていく“THE LAST SAVIOR”といった楽曲は、そうしたバンドの試行錯誤が高いレベルで見事に結実した名曲と言えるのではないでしょうか。
「LIV MOON?まだ聴いたことないや」という方がおられましたら、先ずはこのアルバムからどうぞ。

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