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MISTY LADY / 浜田麻里
火薬バカ一代 ★★★ (2012-01-20 07:07:28)
まず「ヘヴィ・メタルありき」でアルバム作りが進められていた印象の前2作に対し、浜田麻里自身が全曲の作詞を手掛け、また単独で書き上げた楽曲も収録される等、彼女のアーティストとしての資質を活かしたアルバム作りへと、制作環境に変化の兆しが見え始めた'84年発表の3rdアルバム。
メタル・クィーン度の下がった普通のアイドル風ジャケ写がアートワークを飾る(但し裏ジャケは何故かホラーチックなので油断できない)本作は、故樋口宗孝の手を離れて制作された事により収録楽曲の方もコテコテのHM路線から、明るく弾むタイトル・トラックのような、これまでになかったタイプの楽曲が見受けられる、Keyもふんだんに取り入れられたキャッチーなメロディック・メタル路線へとシフト・チェンジ。
と言っても音楽性が拡散してしまったなんてことはなく、劇的にOPを飾るミッド・チューン“PARADISE”や、山本恭司提供のもろVOW WOW路線の“SWEET LIE”、そしてMAKE UPの河野陽吾(Key)渾身の逸品“HEART LINE”という冒頭の名曲3連打でハート鷲掴みな本編は、山田信夫(MAKE UP)のペンによるドラマティックなバラード“MORE FINE FEELING”から疾走する様式美ナンバー“TURNING POINT”へと展開する終盤の畳み掛けに至るまで、テンションが緩む場面は一切見当たらない隙のない完成度を提示。
初期の名盤の一つではないでしょうか。
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