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Outer Isolation / VEKTOR
火薬バカ一代 ★★★ (2012-01-15 09:16:50)
米HR/HM系サイトNOISECREEPにおいて、イマドキのエクストリーム・メタル・バンド群に混じって「2011年ベスト・アルバム11」に選出される等、海外では既に高い評価を得ているVEKTORの2ndアルバム。
と言っても本作にモダンな要素は皆無と言ってよく(一体何がアメリカ人の琴線に触れたのでしょうかね?)、シュミーアが加入したVOIVODがDESTRUCTIONの楽曲に大胆な解釈を施してカヴァーしているかのような、激烈且つキャッチーな疾走感と、知性迸るプログレ・メタル風味の構築感とが同居した「理数系スラッシュ」とでも表現したくなるユニークなサウンドは今回も健在。
いや寧ろその切っ先は益々鋭利に、曲展開は一層無駄なくソリッドに研ぎ澄まされた印象で、ヒステリックに噛み付いてくるVo、トリッキーなリフの刻みからメロディックなソロまで、端々に不協和音を織り交ぜつつ流麗に動き回るG、そして立体的に組み上げられたリズムで怒涛の如く畳み掛けるBとDsの鬩ぎ合いによって生じる、張り詰めたテンションとスリル、そしてSFタッチのアートワークに通じるスペーシーなスケール感とドラマ性を有する楽曲のカッコ良さは格別です。(お薦めは①④⑧辺りかな)
・・・と頑張って理屈っぽく説明してみましたが、本作の魅力は単純に「チョー速くて、チョーいかしたスラッシュ・メタル・アルバム」の一言で説明可能なので、別に小難しく構える必要なし。目出度く日本デビューを飾ったことですし、是非ともライブを見てみたいですね。
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