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Wild on the Run / TOBRUK
火薬バカ一代 ★★★ (2012-01-07 00:07:52)
80年代初頭に英国はベッドフォードにおいて結成され、'83年にNEAT RECORDSからキャッチーに弾む名曲“WILD ON THE RUN”のシングルをリリースしてデビューを飾った6人組のメロハー・バンドが、EMIと契約後、わざわざ渡米してフィラデルフィアでレコーディング作業を行い'85年に発表した1stフル・アルバム。
BON JOVIとの仕事で知られるランス・クインがプロデュースを担当し、瑞々しい音色のKeyと洗練されたボーカル・ハーモニーをフィーチュアした哀愁のハードポップ・サウンドから「英国のBON JOVI」なんて評判を呼んだ彼ら。
未だBON JOVIと言えばデビュー作を最も愛して止まない自分にとっては本作はピタリとツボにハマる1枚で、“RUNAWAY”風のKeyの三連符イントロに胸躍る初期BON JOVIタッチの②や、アルバム終盤を締め括る⑦⑧⑨(いずれもドラマティックなKeyのイントロから始まるのが特徴ですね)といった、ヨーロピアンなドラマ性とアメリカナイズされたポップ・センス、それにエッジの効いたツインGとが良い按配に溶け合わされた楽曲の数々はまさしく美味。
この手のサウンドを歌うには、スティーヴン・タイラーやケヴィン・ダブロウの系譜に連なるしゃがれ声のVo(但し歌唱力は十分)がやや不似合いな気がしなくもないのですが、まぁこの完成度の高さの前には大した問題ではありませんて。
本作は、確かなクオリティを備えていたにも関わらずセールス的にはパッとせず、バンドはもう1枚アルバムもリリースした後に解散。Vo('06年に死去)はデビュー前のWILDHEARTSに参加し、KeyとDsはドゥギー・ホワイトらと共にMIDNIGHT BLUEへの参画を果たしている。

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