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Infernum infinitum / SANGUIS
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2012-01-03 23:22:05)
2004年発表の2nd。
某所のセールで格安で買えたんですが、これ、素晴らしいですね。
1stの頃のDISSECTIONのドラマティックでメロディックな路線をベースに、DARK FUNERAL辺りのトレモロリフ中心のファストブラックの要素を加味したような、非常に完成度の高いメロディック・ブラック。この作品で個人的に特筆したいのは、メロディック・ブラックとして非常に均整の取れた作風ということですね。
まずメロディはかなりメロウで、時にはダーク・ファンタジーの主人公でも登場しそうな、エピックでかっこいいメロもあったりもしますが、同時に邪悪さや寒々しさも発散していて、決して甘くなり過ぎないのが良い感じ。ヴォーカルもキレが良すぎて狂気が感じられない事もなく、と言って狂い過ぎて本来の役目を見失う事もなくで、この手の作風に非常に良く合う声だと思う。
起伏の付いた、ドラマ性の強い展開ながら1曲をコンパクトに纏めた曲構成、ムードを殺すほどヘヴィでなければ、チープに感じるほど薄くもない音作りも良い按配だと思う。個人的な好みとしては、バスドラムの音がちょっと気に入らなかったりはしますが、まあ全然許容範囲内。「これぞメロディック・ブラックだ!」と言いたくなるような、この手が好きな人のツボを突いた作品。
正直、もうメロブラというサブジャンル自体完成されてるのもあって、このアルバムが歴史的名盤や初心者が第一に聴くべきアルバムとして推される事はないと思う。でも個人的にはDISSECTIONの1stにも肉薄するくらいの良いアルバムだと思うんですよね。1曲1曲の個性ではまだ及ばないかもしれませんが、聴いていて非常に快い作品。
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