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Игра с огнём / Ария(ARIA)
火薬バカ一代 ★★★ (2011-12-26 22:21:17)
'89年にモスクワでミュージック・フェスティバルが開催されたのを契機に、ロシアン・メタルが瞬間風速的に盛り上がった時期がありましたが、GORKY PARKやSHAH、TOVARISCHYといった国内盤がリリースされたバンド以上に深い感銘を受けたのが、このARIAが'89年に発表した4thアルバム。(尤も、ARIAの作品はこれしか聴いた事がないのですが)
舌とコブシ回しまくりの勇壮な歌メロを、後ノリでリズムに追っ付ける歌唱スタイルが独特の味わいのVo、隙あらば聴き手の涙を搾り取ろうと咽び泣く2本のGを中心に展開されるサウンドは、JUDAS PRIESTの“THE HELLION”を思わすイントロに導かれスタートする①と、IRON MAIDENばりのクールなリズム・チェンジ・パートを備えた②という開巻早々の2連発が物語る通り、ド直球の正統派HM路線を邁進。
そこに北欧ヴァイキング・メタルばりの雄々しいドラマティシズムや、聴いているだけでブリザード吹き荒ぶシベリアの永久凍土が目に浮かぶような、猛烈な寒々しさと物悲しさが全編に亘って充満しているのが本作の特色で、VoとGが悲壮に泣きまくる③なんて涙さえも凍りつくような名曲ですよ。
思わず「・・・デモテープ?」と呟きの一つも漏らしたくなる貧乏臭いプロダクションも含めて、まさしくロシアン・メタルの様式美を堪能させてくれる1枚ですね。

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