この曲を聴け! 

HELLOWEEN
こうじ ★★ (2004-05-08 22:14:00)
このバンドで衝撃を受けてメタルを聴き始めた人間だが…
どうもこのジャンルに終焉が訪れている気がしてならない。
ヘヴィメタルっていう、ロックの中の特殊なジャンル。
その中に、さらにその特殊性を強めたジャンルを生み出したこのバンド。
スピーディーで、ドラマチックで、ヒロイックで、クラシカルで…
メタルのメタルたる要素の一部をデフォルメする事で新しい音楽を創造した彼らだが、
最近はもう「まあまあな位置」に落ち着くというか、ゴタゴタもあったし、
何かバンドとしての魅力が無くなった気がする。
さらには、彼らの影響を受けてメタルを始めたであろう無数のバンド群、
古くは「ジャーマンメタル」最近では「メロパワ」「メロスピ」と呼ばれる連中が、
この手の音楽を完膚なきまでダサいものにしてしまった。
彼らの中で、MASTER OF THE RINGS的な普遍的魅力を持ったアルバムを作ったバンドがいるだろうか。
恐らくほとんどが、Keeper Of The Seven KeysやTHE TIME OF THE OATHを目指しているんだろう。
そして、彼らのサウンドに北欧っぽさ&クラシカルさを加えただけのSTRATOVARIUS、
圧倒的な疾走感とクワイヤが魅力のBLIND GUARDIAN辺りのサウンドに影響を受け、
より大仰でより濃厚でより閉鎖的なバンドが次から次へと出て来ている。
また彼らのフォロワーで個性を確立した数少ない例は、
BLIND GUARDIANが進化の袋小路に入り込み、恐るべき可能性を示したANGRAも、
予定調和な音に落ち着いてしまっている。
可能性を見出せるバンドはKAMELOTぐらい。
外側のメタル界隈や広いロックの世界では、革新や進化が次々と起こっているのに、
何故このジャンルは時間が止まってしまったのだろうか。
それは、やはり予定調和というものが人間にとって心地いいものだからだろう。
他のジャンルを見ても、ダンスミュージックの中のユーロビート、
パンクの中のメロコア&メロパン、歌謡曲なら一部の演歌かな?
型の決まった演出に身を委ねるのは、安心と陶酔を味わえるんだろう。
しかし…神懸り的な作曲能力を持つヴァイキー、優れた感情表現ができるアンディに、
このまま埋もれていって欲しくないと思う。
「メタルはオタクの聴くキモチワルイ音楽」という偏見が定着しきってしまう前に、
ガツン!!と一撃、メタリカの復活劇のような、世間をあっと言わせる作品を作ってもらいたい。

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