この曲を聴け! 

Where Distant Spirits Remain / FALLOCH
Usher-to-the-ETHER ★★★ (2011-10-25 22:00:03)
2011年発表の1st。
某有名メタル取扱店で猛プッシュされてて、つい買っちゃいました(笑)。

個人的には情景描写に徹しすぎて音像にあまり動きがなかったり、メタルとしての形を留めていないポストブラックってちょっと苦手なんですが、これはいいですね。アコースティックなパートと苛烈な疾走も含むブラックパートでメリハリが付けてあるし、曲の展開によって笛やピアノ、休符を上手く使ったベースライン等を取り入れたり、聴き手を更に深く引き込むような音像の変化があるのが良いですね。ラストをピアノインストで締める構成も非常に美しい。

勿論、話題になるだけあってメロディのセンスは抜群に良いです。
笛を使っていることからも分かるように、幻想的で柔和な、トラッド色の強いメロディで、特に3曲目のアコギ・笛・シンセ・パーカッションによるインストの「Horizon」なんかは、リアルに水平線に沈む太陽が脳裏に浮かぶよう。テレビで、早朝の番組が始まる前の時間に自然の風景の映像を流してたりしますが、ああいうのに合わせたらハマりそうなんで、局の方どうでしょうか(笑)。

ちなみにヴォーカルはほぼクリーン。
OPETHやALCESTを思わせるような、優しげに歌い上げるイケメンボイスで、ハモりも多用し実に心地よく聴かせてくれます。OPETHよりもちょっと若い感じで、個人的にはもう少し軽さが無くなれば言うこと無しですが、まあ悪くないです。ただ、時折感情が高ぶったように声を荒げる部分は、デス声未満のかなりヌルいがなりになってるのでそこだけは改善して欲しいかも。叫ぶならNeigeくらいやって欲しい。

…と、色々書きましたが、確かに店の人がプッシュしたくなるのも分かる、良質のポストブラックですね。個人的には普段ワールドミュージックとか、非メタル・非ブラック聴いてる人の感想が聴いてみたい作品。ここはお店の甘言に乗せられて、手を出してしまってもいいのではないかと思います(笑)。

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